「財務・資金に関する講座」逗子創業セミナーレポート:第二回

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逗子市で開催されている創業支援に関するセミナー。
逗子創業支援ネットワークという団体が主催している、「逗子創業スクール」というセミナーで、全4回のカリキュラムで実施されます。
今回は、第二回の開催情報についてレポートします。

目次

第二回「財務・資金に関する講座」概要

第二回のテーマは「経財務・資金に関する講座」。
講師は、神奈川県よろず支援拠点・コーディネーター/中小事業診断士の林真木子さん。

よろず支援拠点とは
国が全国に設置する、中小企業・小規模事業者の皆様のための経営相談所。相談は何度でも無料とのこと。
弁護士もいるそうで、何かあれば相談できるそうで、心強いですね。

第二回のセミナー概要

前回と今回のセミナーを通して、以下の4つを学んでいきます。

  1. 全体の構想、事業イメージを固める
  2. 具体的な事業内容を詰める
  3. 創業時の資金計画をつくる
  4. 収支計画・返済計画をつくる

前回セミナーでは、①②を考えたので、今回のセミナーでは、③④についてがテーマとなります。
その上で、今回のテーマは、

  1. 売上・費用について考える
  2. 売上・費用のバランスを見る
  3. 創業資金・運転資金を見積もる
  4. 創業時に知っておきたいお金の管理

①売上・費用について考える

売上・費用について考えることは、イコール、創業計画書の右側「資金計画」のことについて考えることになるそうです。

創業計画書のフォーマットは、こちらからダウンロードできます。
日本政策金融公庫

売上・費用・利益とは

売上:事業において商品・サービスを提供し、その対価としてお客さんから受け取る代金
費用:事業を営むために支払う金銭
利益:売上ー費用

売上が高くても費用がかさむと、利益になりません。そのために必要になるのが、「収支計画」です。

収支計画

年・月単位で売上・費用の計画を立てたもの。

  • お金がなくなると事業が続けられなくなる
  • 「経営者の仕事=判断」のための材料
  • 利害関係者に事業の実現可能性を説明する

この観点で、収支計画が必要となります。

売上計画の考え方とポイント

売上計画は、根拠を持った計画を立てる。
売上計算の基本パターン
「売上=客単価×客数」
「売上=販売価格×販売個数」

売上計画のポイントは

  • 売上の根拠はあるか、どのように算出したか
  • 価格の設定は適切か
  • 経費をまかなえる売上は計上できるのか
  • 他者の平均と比較してどうか
  • 客観性があり、誰もが納得できるか

この観点を考えて、売上計画を立てるようにします。

費用について

固定に発生する費用と売上に応じ変動する費用がある。
日々の経費がいくらかかるのか見積もりを立てる。

費用の参考に、J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] に、「業種別開業ガイド」というのがあります。
こちらでは、200以上の業種・職種から選べる開業準備手引き書がこちらから確認でき、自身が開業したい業種の費用など参考になります。
業種別開業ガイド

業種で違う原価率

飲食店:35%
美容院:15%
婦人服:60%
学習塾:0%

実際に収支計画のワークショップを実施しました。
ワークショップの内容は
・事業の売上はどのように算出できる?
・売上の増減に伴い出ていく費用は?
・毎月、売上にかかわらず出ていく費用は?
を実際に考えてみることを実施。
具体的に考えることで、よりイメージができるようになりますね。

②売上・費用のバランスを見る

収支計画のポイント

・収支計画はそもそも実現可能か
>平気ヒア想定以上に、売上は想定以下と固めに見積もり
・単月での黒字化は見込めるか
>ずっと赤字が続くのであればそもそも事業として成り立ってない場合も
・初期の赤字をカバーできる資金(自己資金・借入金)はあるか
>自己資金が多いほど精神的なゆとりをうむ
・必要な利益を確保できるか

収支計画の見直し

収支計画の見直し方法は2つ。
1:売上の見込みを上げる
2:かかる費用を抑える

ただし、実現不可能な数字にしないことが大事です。実現可能性を冷静にみて修正をし、なんども見直すことが大事となる。
収支計画が立たない場合、そもそも事業計画からの見直しが必要になります。

③創業資金・運転資金を見積もる

創業資金計画

創業資金の立て方について詳しい説明を例をみながら説明がありました。

必要な資金
設備資金:過大な設備投資になっていないか
運転資金:余裕があるか。目安は3ヶ月分。
調達の方法
自己資金の形成:自己資金があるほど余裕があるのでここがいくら作れるかが大事
借入:利益から返済可能か

自己資金がやはり重要とのことです。
参考として、創業資金の調達方法として、24%程度が自己資金のようです。

参考:主な創業融資制度

日本政策金融公庫

④創業時に知っておきたいお金の管理

最後に、お金にまつわる失敗を減らすための心得を具体的に教えていただきました。

  • 「事業のお金」と「自分のお金」を区別する
  • 口約束で仕事を進めない。また、請求・支払い処理はきちんと行う
  • 日々の経理作業を行い、タイムリーに経営状況を把握する
  • 月次で数字を締め、計画との差を検証する
  • 実績と計画の差から、行動の改善や計画の見直しを行う
  • 頼れる友人・支援機関を持ち、早め早めに相談する
  • 高利子な借入には絶対に手を出さない。撤退条件を決めておく

第二回は、以上の内容でした。
「創業時の財務・資金」に関して、初心者向けに、平易な言葉や事例でわかりやすい講義でした。

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