逗子市で開催されている創業支援に関するセミナーに参加をしてきました!
逗子創業支援ネットワークという団体が主催している、「逗子創業スクール」というセミナーです。
逗子市の広報などでも広く周知されており、会場は満席でした!
全4回のカリキュラムで実施されます。
第一回の開催情報についてレポートします。
第一回「経営に関する講座」概要
第一回のテーマは「経営に関する講座」。
市長からの挨拶
まずは逗子市長の桐ヶ谷さんからのご挨拶からスタート。
市長になる際にも、逗子の企業誘致や起業支援を公約に掲げていただけに、熱心な市長です。
桐ヶ谷さんは、市長になる前は「キリガヤ」という会社の経営者でした。
その経験を元に、ご挨拶をされました。
創業の時は誰でもうまくいくと思いがちですが、冷静に分析をし人の意見を聴きながら判断が大事。
何より、大義が大事。儲けたいという気持ちだけではうまくいかない。
ひとりよがりではない事業が経験的に大事
さらに経理も大事なので、入りと出のバランスを学ぶことが必要。
第一回のセミナー概要
今回は、「成功する創業」「成功するビジョン作り」ということをテーマとして
- 創業するために大切なこと(心構え)
- 経営ビジョンの作り方(考え方)
- 事業計画の必要性と作り方
講師は、神奈川県よろず支援拠点・チーフコーディネーター/中小事業診断士の森 智亮さん。
花王やCanonなどでのマーケティングやコンサルティングをなさってきた方です。
森 智亮さんプロフィール
よろず支援拠点とは
国が全国に設置する、中小企業・小規模事業者の皆様のための経営相談所。相談は何度でも無料とのこと。
はじめて存在を知りました。
弁護士もいるそうで、何かあれば相談できるそうで、心強いですね。
①創業するために大切なこと(心構え)
講師の森さんもサラリーマンでしたが、サラリーマンの良いところとして
- 安定
- 役割の固定
- 低リスク
この3つであるとのこと。
有給もあり決められた役割で仕事をこなすことで安定した給料がもらえるところです。
次に、成功者の共通点について。
孫正義、ビルゲイツ、楽天の三木谷さんらの話を元に、成功者の共通点は
- 未開拓の新しいことに挑戦する
- 失敗を恐れない
- 仕事をとことん楽しむ
この3つとのこと。
具体的な話ととともに解説されてました。
創業の検討の流れを
②経営ビジョンの作り方(考え方)
ビジョンとは、「やりたいこと」「なりたい姿」。これから進むべきための道しるべ。
ビジョンを明確にする前に
この解説に先立ち、起業された企業の現状についてのデータについてです。
Q:創業して5年〜10年存続している企業の割合は?
A:新設された企業生存率(日経新聞1996年調査より)
1年後に60%
3年後に38%
5年後に15%
10年後に5%
新設された企業は、設立5年で約85%、10年で約95%の企業がなくなっています。
倒産理由として
倒産原因2位:既往のしわ寄せ
倒産原因1位:販売不振
というわけで!当たり前ですが「準備が大事」とのことを認識しました。
ビジョンを明確にするポイント
- 社会が求めていること・顧客が求めていることを探す
- 3年後に自分、まわりの地域、お客様がどうなっていたいかを考える
- やれることを考えるのではなく、やりたいことから考える
これがやれるからやってみよう!は①に当てはまりがちだけれども、「顧客が求めていて」かつ「やりたいこと」を見つける。
強みと機会
強みと機会を活用したビジネスの方向性の出し方について
学ぶために、自己分析ワークショップの実施をしました。
これまでの自分の棚卸しとビジョンの作成です。
- 経歴・職歴
- スキル・資格
- 自分が好きなこと
- 強み:セールスポイント
- 弱み:強化が必要なもの
- 持っているネットワーク・人脈
- 創業の動機
- 貢献できること
- 創業予定時期
転職活動をするときに記載する、職務経歴書や履歴書を改めて書き出すのと少し似ています。
改めて全部書き出すことで、自分を見つめ直すことに繋がります。
弱み=強化が必要なものと捉えるのも、良い視点だなと感じました。
中小企業の基本戦略
- 大手と(他と)違うことをやる「差別化」
- 総合1位ではなく「小さな1位」を積み重ねる
- あれもこれもではなくて「一点集中」
- 顧客と直接つながる・話をする「身近な存在」
②の「1位」について、なぜ一番なのかの補足
日本で一番目に高い山は?「富士山」
日本で二番目に高い山は?? 三番目は??? となるので、そのために「一番」「1位」が大事とのこと。
中小企業が勝てる土俵
- 手作り・オーダーメイド系(めんどくさい系)
- 徹底的にテーマを絞る(高効率、専門化)
- 地域の資源を活用する(地域に眠る良いものを掘り起こす)
- 市場が小さい、ニッチ(大手が参入する気にならない)
- 衰退産業(あんまりオススメはしないそうです)
成功している企業例
手作り・オーダーメイド系
無添加の手作り石けん&材料道具店「tecolo(てころ)」
アレルギーなどの方からのリクエストにも応えた石鹸販売
絞った系
からあげ弁当 テイクアウト販売「とよ唐亭」。
扱っているメニューが唐揚げだけなので無駄がない
衰退産業復活系
メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド「ファクトリエ」
ニッチ系
新築住宅のクレーム処理専門会社
ビジネスとは?ビジネスモデルとは?
「ビジネス」とは
顧客が求めるニーズを、壬生からが生み出した付加価値で埋めることでその対価(売り上げ・儲け)を得ること
「ビジネスモデル」とは
儲ける仕組みのこと。
ビジネスモデルを考える上で4つのことを考える
- 顧客は誰か
- 提供価値は何か
- どんなプロセスで提供するのか
- どんな収益構造にするのか
ビジネスモデルを作り際には、「誰に」「何を」「どのように」と考えるとわかりやすいです。
例えば、パン屋さんだと
誰に:女性客をメインターゲットに
何を:地元の新鮮な野菜・果物・お肉と自家製パン
どのように:フランス料理のシェフのようなこだわり料理法で。
ビジネスモデルをはじめ、なんでも文字にしてみることが大事なので、書いてみましょうとのことでした。
③事業計画の必要性と作り方
「事業計画」を作るメリットは、みてもらう相手によって目的が異なってきます。
「私こんなことやりたい!」
「スタッフを雇いたい」
「お金を借りたい」
といったときに、それぞれの相手に伝えることができるようにする資料が事業計画書になります。
事業計画書は、相手にわかりやすく説明できなければならないものなので、作った際に、中学生くらいの相手に説明して伝わるようなものにしていくことが良いそうです。
1回で作りきるのではなく、納得いくまで、まわりの人が「いいね!」というまで書き直すとよいようです。
第一回は、以上の内容でした。
「起業・創業」に関して、初心者向けに、平易な言葉や事例でわかりやすい講義でした。