「法人成りしたのに、なぜか個人事業主の消費税中間申告の支払い依頼が届いた」
この記事では、私自身の経験をもとに、なぜ中間申告の案内が届いてしまうのか、そして、慌てて支払う必要がない理由と、正しい対処法をわかりやすく解説します。
なぜ、中間申告の支払い依頼が来たのか
令和6年途中で法人成りしたため、令和6年分の個人事業主としての確定申告を済ませ消費税を支払いしました。 令和7年は個人事業主としての事業活動はありませんでしたが、税務署から「令和7年分の消費税中間申告」の支払い依頼が届きました。
すでに個人事業を行っていないのに支払い依頼が来たのでしょうか。
結論から言うと、個人事業主としての「廃業届」と「適格請求書発行事業者の登録廃止届」を提出していなかったためです。これらを提出しないと、税務署には「事業を継続している」と判断されてしまい、中間申告の案内が届いてしまうのです。
中間申告の支払いは必要ない!やるべきこと
中間申告の支払い依頼が来ても、個人事業主としての事業を廃止している場合は、支払う必要はありません。
しかし、「事業活動がないから何もしなくていい」わけではありません。税務署に「事業を廃止した」ことを伝えるために、以下の3つの手続きを完了させる必要があります。
1. 個人事業主の廃業届を提出する
個人事業主としての事業を廃止したことを税務署に知らせるための手続きです。法人成りした場合は、個人事業の開業・廃業等届出書を提出します。
2. 適格請求書発行事業者の登録廃止届を提出する
インボイス制度に登録していた場合は、忘れずに提出しましょう。これを提出しないと、インボイス登録事業者として中間申告などの対象になってしまいます。
3. 令和7年分(廃業年度)消費税の中間申告(0円申告)を行う
「何もやってないのに申告が必要なの?」と思うかもしれませんが、これは税務署に「事業が廃止されている」ことを明確に知らせるための重要な手続きです。この「0円申告」を行うことで、翌年以降の支払い依頼が来なくなります。
【重要】インボイス登録の廃止にはタイムラグがある!
インボイス登録を廃止する場合、注意すべき重要なポイントがあります。
「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出した場合、登録の効力が失われるのは原則として「提出した日の属する課税期間の翌課税期間の初日」となります。
個人事業主の課税期間は1月1日から12月31日までです。例えば、令和6年8月に法人成りし、すぐに廃業届を出したとしても、インボイス登録が廃止されるのは、令和7年1月1日からとなります。
さらに、この廃止を確実に適用させるためには、廃止したい課税期間の初日から起算して15日前の日までに届出書を提出する必要があります。例えば、令和7年1月1日から廃止したい場合は、令和6年12月17日までに届出を提出しなければなりません。これを過ぎると、廃止の効力はさらに1年遅れて令和8年1月1日からとなってしまいます。
このため、法人成りをした方は、個人事業主の廃業届と合わせて、インボイス廃止届も速やかに提出することが非常に重要です。
e-Taxは難解!税務署窓口で詳しい人に聞くのが一番
中間申告の支払い依頼が届いた際に、法人でお世話になっている税理士に問い合わせをしました。さらに税務署の電話相談をし、「e-Taxで0円申告をすれば良い」と案内されました。しかし、e-Taxでの手続きは非常に複雑で分かりにくく、結局、直接税務署の窓口へ行くことにしました。
税務署では、まず総合窓口で相談しました。窓口の担当者は「廃止届だけ出せばいいのでは?」と言ってきましたが、不安を感じたため「詳しい人と話したい」と伝えました。すると、個人税金担当者のフロアに案内され、そこでようやく廃業届、インボイス廃止届、そして0円申告の3つすべてが必要だと判明しました。
窓口の担当者によって案内が異なることがあるため、「詳しい人」につないでもらうことが重要です。
まとめ
個人事業主から法人成りをした際に、消費税の中間申告が来るのはよくあるようです。ですが、慌てて支払う必要はありません。法人化後も「事業を続けている」とみなされないよう、適切なタイミングで廃業届とインボイス廃止届を提出し、消費税の中間申告を済ませることが重要です。
特にインボイス登録廃止にはタイムラグがあるため、法人設立後すぐに手続きを完了させることを強く推奨します。手続きに不安がある場合は、迷わず税務署の窓口に相談するのが一番の解決策です。e-Taxでの手続きは難解な場合が多いため、直接窓口で詳しい担当者につないでもらうことをおすすめします。

